クリニックBLOG

2015.07.09更新

米国内分泌学会は2015年4月16日、骨粗鬆症患者は健常人に比べて突発性難聴リスクが1.76倍高いという研究結果を紹介した。同学会のJournal of Clinical Endocrinology & Metabolism誌に掲載した。
 突発性感音難聴(SSHL)は原因不明の疾患で、聴力が急速に衰えていく。一般的には片耳で発症し、突然起こることも数日間かけて起こることもある。患者の約半数は自然に治癒するが、迅速な治療が重要で、ステロイドパルス治療により約85%は聴力の回復も見込める。可及的早期の治療開始が望まれる。
 本研究では、1999-2008年に骨粗鬆症と診断された台湾在住の1万660人と骨粗鬆症ではなかった3万1980人の医療記録から、2011年末までに突発性難聴と診断された人数を比較分析した。追跡期間中、SSHLと診断された対照群は155人。うち骨粗鬆症と診断された者では91人と発症リスクは対照群よりはるかに高く、SSHLも骨粗鬆症に関連した健康問題の可能性が示唆された。
 骨粗鬆症が心血管や脳血管系に影響を及ぼしているというエビデンスが増えている中で、研究者は「骨粗鬆症とSSHLの関連を裏付ける機序は不明だが、心血管リスク因子、骨脱灰、炎症、内皮障害が関与しているのではないか」と分析。全米で4000万人以上が骨粗鬆症に罹患またはそのリスクにさらされているため、骨粗鬆症患者が難聴を感じたら、速やかに受診するよう促している。日本では統計はなく人種差もあるかもしれないが、骨粗鬆症患者さんには注意を喚起したい。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.07.09更新

今時の若い医師は、デジタルネイティブだから、わざわざ学会に出かけていって、利益相反まみれの偉い先生のお話なんて聴かないだろうなと思っていた が、実際はどうやらそうでもないらしい。ラ ンチョンセミナーについてのアンケートでは、「参加している」と答えた医師の割合が最も高かったのは20歳代で、92.0%が参加し ていた。年齢が上がるにつれ「参加していない」と答えた医師の割合が高かったそうだ。弁当を食べ飽きたという噂もあるが。
ランチョンセミナーは医薬品に対する学会員のリテラシーを示す重要な指標である。そもそも、大会運営費を製薬企業に負担してもらおうという、学会 のたかり根性に問題がある。医師は物乞いではないと信じたいが、例によって学会のお偉いさん方は,ランチョンセミナーがないと学会が運営できないとでも言いたいのだろうが,そんな程 度のリテラシーの学会だったら存在意義があるのかと思われる。会員にとっての学会の最大の意義は,その学会に所属していることを誇りに思わせるところにあ る。企業にたからなければ運営していけいないような学会に誇りを持てるだろうか。とりわけ生物学的製剤の製薬企業は、足つき(交通費負担)・顎つき(食事付き)の講演会やランチョンセミナーがお好きである。
実はランチョンセミナーを廃止するのは簡単だ。患者さんから意見を採り入れれば、ランチョン セミナーは確実に廃止できるのだが、そうしないのは、学会幹部ばかりでなく個々の学会員のリテラシーがその程度だということを示している。肝心の お医者様達が喜んで製薬企業 のロゴの入ったボールペンをもらっているようでは、いくら学会理事長の首をすげ替えようと、臨床研究規制をICH-GCPにしようと、何も変わら ない。また、製薬企業の提灯持ちとなっているバイオスターの先生方の見識を信じたい。美意識だけは失いたくないと切に思っている次第である。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.07.09更新

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区)は2015年7月3日、チロシンキナーゼ阻害剤/抗線維化剤ニンテダニブエタンスルホン酸塩(商品名:オフェブ カプセル100mg、同カプセル150mg)が特発性肺線維症の効能・効果で製造販売承認を取得したと発表した。肺扁平上皮癌に対する分子標的薬はいくつかあるが、肺線維症に対する分子標的薬は画期的である。リウマチ・膠原病では合併症としての間質性肺炎のコントロールjは重要な課題である。ニンテダニブは特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis:IPF)の治療を目的としたIPFに対する初の分子標的薬。肺線維症の発症機序への関与が示唆されている増殖因子受容体、特に血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)および血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)を標的とする。特発性肺線維症(IPF)は慢性かつ進行性の経過をたどり、最終的には死に至る肺線維化疾患だが、現時点で利用できる治療選択肢は限られている。IPFは肺組織の進行性の瘢痕化と経時的な呼吸機能の低下を特徴とし、時間経過と共に肺の機能が失われ、主要臓器に十分な酸素が供給できなくなる。このように現在は、適応疾患はIPFのみであるが、これが二次性間質性肺炎にも拡大されることを期待したい。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.07.03更新

壊疽性膿皮症は血管炎,γグロブリン血症,RA,白血病,リンパ腫,C型肝炎,SLE,サルコイドーシスに伴うことがあり,特に炎症性腸疾患とはよく合併し,免疫反応の異常によると考えられている原因不明の疾患である。
壊疽性膿皮症の治療について、免疫抑制剤の一種シクロスポリンとプレドニゾロンの有効性は同等であることが、英国内39病院から121例を登録して行われた英国・アバディーン大学のAnthony D Ormerod氏らによる無作為化比較試験STOP GAPの結果、示された。壊疽性膿皮症治療のエビデンス報告は、これまで被験者30例による無作為化試験1件のみだが、現在シクロスポリンを使用する多くの医師が、プレドニゾロンよりもシクロスポリンのほうが有効であり副作用が少ないと確信しているという。プレドニゾロンもシクロスポリンも有力な薬剤で予測可能な副作用を有する。本検討で研究グループは、シクロスポリンのプレドニゾロンに対する優越性を検討したが、結果は同等の臨床効果であった。欧米では、シクロスポリンなどマイクロチュブルスに対する免疫抑制剤は使用期間が3年以内と規定されているものの、本邦では長期に使用されている。日和見感染などが懸念されるなか、今後の治療方針の整備が待たれる。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.07.02更新

昨今米国と日本の鎮痛に対するスタンスが問題になっている。米疾病対策センター( CDC)が昨年取り組んだ諸対策トップ10のなかでとくに意外に感じたのが「処方鎮痛薬の過剰摂取」。死亡最大要因のひとつということで、毎日44人が死 亡という説明にはびっくりした。近年米国で急浮上してきた深刻な課題で、オピオイドの過剰摂取によるものである。
 米国人は、人口の3分の1が慢性疼 痛を抱えていて傷害保険金支払のトップという。何かというとすぐアスピリンに手が伸びる国民として知られていて、その癖が今オピオイドに切り替わって深刻 な事態を招いてしまったようである。痛みを我慢しない国民性が如実に反映されている。さらに問題は膨らみ、オピオイド過剰使用をきっかけに、違法薬ヘロインを乱用するケースが増えており、これによる中毒 死亡者数が前年比で約44%も大幅増加。併せて、コカイン関連死も12%増加、深刻さを深めている。疼痛に伴う社会経済的損失は、年間約60兆円(換算) に上ると推計されており、混迷の根は深い。奇しくも、日本の大手自動車企業の外国人役員が違法薬物をもちこもうとしたのではないかとの疑念がもたれている。オピオイドの適正使用が待たれる。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

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2024/01/15
令和6年2月より、月曜日午後診療はセカンドオピニオン専用外来とします。
2023/12/13
年末年始の診療は、年末は12月27日(水)まで診療します。 年始は1月4日(木)より診療再開します。
2023/08/02
【夏季休診のお知らせ】来る8月10日(木)から、8月16日(水)はお盆休みの休診となります。
2023/01/11
【休診のお知らせ】先週末の連休中に、コロナ感染が判明して、一週間の自宅隔離、療養となったため、今週は臨床休診となりますので、よろしくお願いします。
2022/10/28
年末は、12月28日水曜日午前診療まで行います。 年始は、1月5日木曜日午前診療から診療再開します。 ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
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