クリニックBLOG

2014.07.07更新

痛風と高尿酸血症は心血管(CV)リスク増大と関連している可能性があるが、さまざまな集団を対象とした解析は矛盾する結果を示している。本研究では、血清尿酸値、炎症および従来のCVリスクパラメータが痛風性関節炎(GA)患者および痛風を持たないリウマチ性疾患患者におけるCVイベントリスクに及ぼす影響を検討している。GAではCVイベント新規発症のハザードが3.1倍に上昇した。痛風を持たないリウマチ性疾患患者では、血清尿酸値の上昇はCVリスクの増大と関連しているのに対し、GAにおけるCVリスクは血清尿酸値と無関係である。GAの存在またはベースライン時の血清尿酸値が正常範囲上限にあることは、従来の一部のCVリスク因子や炎症パラメータよりも強力なCVイベント予測因子である可能性がある。尿酸値は、存外重要な指標である。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.07.03更新

現在、関節リウマチ薬として保険承認されている生物学的製剤は7剤あります。TNF-α阻害薬は、登場順にインフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ・ペゴルの5種類。TNF-α阻害薬以外には、IL-6受容体抗体薬のトシリズマブと、抗原提示細胞のCD80、CD86に特異的に結合して、T細胞の活性化を抑制するアバタセプトがあります。
投与法で分類すると、TNF-α阻害薬のインフリキシマブとT細胞活性化抑制薬のアバタセプトが点滴静注、インフリキシマブ以外のTNF-α阻害薬であるエタネルセプト、アダリムマブ、ゴリムマブセルトリズマブ・ペゴルは皮下注製剤です。
IL-6受容体阻害薬のトシリズマブは点滴製剤に加え、皮下注製剤が承認済みですし、点滴投与の生物学的製剤のうちアバタセプトも、近く皮下注製剤が承認されました。もともと点滴製剤として開発された薬剤に皮下注製剤が加わるのは、患者さんのニーズがあるからでしょう。自己注射が可能な皮下注製剤の普及は、ひとつのあるべき方向だと思います。
関節リウマチ治療において、メトトレキサート(MTX)などの抗リウマチ薬を上限まで増量しても十分な改善が得られない場合、生物学的製剤の使用を考えます。その際、どの生物学的製剤から使うという規定はありません。ただし、歴史的にインフリキシマブやエタネルセプトから導入が進んだので、リウマチ臨床医はTNF-α阻害薬から使い始めようとするのが一般的でした。
現在では、どの生物学的製剤から使い始めても効果的に治療ができると考えてよいでしょう。その中で、薬剤を使い分ける判断基準の1つになるのが投与法です。そのため、患者さんに生物学的製剤を勧める場合、投与法の違いを説明した上で、どの薬を使いたいかを希望を聞くのが重要でしょう。
もう1つ、どの生物学的製剤から開始するかを決める要素になるのが、メトトレキサート(MTX)を使えるかどうかです。MTXで副作用がある場合や妊娠を希望している患者さんの場合、MTXの併用はできません。一般にTNF-α阻害薬はMTXと併用したときに最大の効果を引き出せるとされています。
これに対し、トシリズマブはMTX非併用でも併用と同等の有効性を発揮するとされています。MTXを使えない場合にはこの薬剤をよく用います。また、アバタセプトは感染症を誘導する副作用が他の生物学的製剤に比べて少ない印象です。高齢で副作用、特に感染症発症が問題になる患者さんにはこの薬剤を使うという判断もあります。これについては、論議はありますが、ひとつの目安である。やはり、生物学的製剤の使用ガイドラインの策定が待たれます。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.07.03更新

日本リウマチ学会(JCR)は5月20日、学会員に向け、抗好中球細胞質抗体関連血管炎(ANCA 関連血管炎:AAV)にリツキシマブ(商品名リツキサン)を投与する場合、特定使用成績調査に協力するよう呼び掛ける声明を発表した。特定使用成績調査は、副作用などの情報を収集するために製薬会社が自主的に実施しており、学会として協力することを決めたという。リツキサンは通常B細胞性慢性骨髄性白血病やリンパ腫に使用される。
AAVへのリツキシマブ投与は、2013年6月に厚生労働省が公知申請を認め、適応が追加された。海外の大規模臨床試験(RAVE試験、RITUXVAS試験)および科研費研究「難治性血管炎に関する調査研究班」で行った多施設共同臨床研究(RiCRAV)の結果を根拠としているが、現時点では日本人での安全性に関するデータが少ない。
そこでJCRは「日常診療での副作用情報の集積は極めて重要」と考え、今回の声明に至ったと説明している。リウマチ膠原病の分野で、リツキサンは適応拡大が示唆されており、血管炎に使えるようになれば、患者さんに対する恩恵は大きいと期待される。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.07.03更新

関節リウマチ(RA)にも使われるTNF-α阻害薬の炎症性腸疾患(IBD)患者への投与は、がんリスク増大と関連していないことが、デンマーク・血清研究所(Statens Serum Institut)のNynne Nyboe Andersen氏らによる同国レジストリ患者対象コホート研究の結果、報告された。追跡期間中央値3.7年で、TNF-α阻害薬投与群と非投与群の補正後がん発症率比は1.07であったという。TNF-α阻害薬治療後のがんリスクを含む有害事象の検討については、コクランレビューとネットワークメタ解析の結果、全国レジストリの大規模データベースに基づく評価が適切であるとの結論が示されていた。JAMA誌2014年6月18日号掲載の報告より引用。日本では、日本リウマチ学会(JCR)がリンパ腫などの発症頻度について検討しているが、現在のところTNF-α阻害薬ががんリスクを増大させるという知見は得られていない。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.07.01更新

関節リウマチ(RA)患者956人を対象に、トファシチニブ単剤療法の効果を第3相試験で検討(ORAL Start試験)。トファシチニブ5mg群、10mg群ともに、メトトレキサート単剤治療群に比べて修正総Sharpスコアの平均変化が小さく、米国リウマチ学会基準70%以上改善(ACR70)達成率が高かった(全てP<0.001)。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

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令和6年2月より、月曜日午後診療はセカンドオピニオン専用外来とします。
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