今時の若い医師は、デジタルネイティブだから、わざわざ学会に出かけていって、利益相反まみれの偉い先生のお話なんて聴かないだろうなと思っていた が、実際はどうやらそうでもないらしい。ラ ンチョンセミナーについてのアンケートでは、「参加している」と答えた医師の割合が最も高かったのは20歳代で、92.0%が参加し ていた。年齢が上がるにつれ「参加していない」と答えた医師の割合が高かったそうだ。弁当を食べ飽きたという噂もあるが。
ランチョンセミナーは医薬品に対する学会員のリテラシーを示す重要な指標である。そもそも、大会運営費を製薬企業に負担してもらおうという、学会 のたかり根性に問題がある。医師は物乞いではないと信じたいが、例によって学会のお偉いさん方は,ランチョンセミナーがないと学会が運営できないとでも言いたいのだろうが,そんな程 度のリテラシーの学会だったら存在意義があるのかと思われる。会員にとっての学会の最大の意義は,その学会に所属していることを誇りに思わせるところにあ る。企業にたからなければ運営していけいないような学会に誇りを持てるだろうか。とりわけ生物学的製剤の製薬企業は、足つき(交通費負担)・顎つき(食事付き)の講演会やランチョンセミナーがお好きである。
実はランチョンセミナーを廃止するのは簡単だ。患者さんから意見を採り入れれば、ランチョン セミナーは確実に廃止できるのだが、そうしないのは、学会幹部ばかりでなく個々の学会員のリテラシーがその程度だということを示している。肝心の お医者様達が喜んで製薬企業 のロゴの入ったボールペンをもらっているようでは、いくら学会理事長の首をすげ替えようと、臨床研究規制をICH-GCPにしようと、何も変わら ない。また、製薬企業の提灯持ちとなっているバイオスターの先生方の見識を信じたい。美意識だけは失いたくないと切に思っている次第である。
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