クリニックBLOG

2016.03.25更新

 長らくリウマチ診療に使用されてきたロキソプロフェンに重大副作用が追加された。新聞報道ですでにご案内どうり、厚生労働省は3月22日、医療用に用いられる鎮痛・抗炎症・解熱剤のロキソプロフェンナトリウム水和物について、添付文書の重大な副作用の項に「小腸・大腸の狭窄・閉塞」を追記するよう求める指示を出した。該当商品には錠剤、細粒、内服液を含む。湿布などの外用薬は含まれない。「ロキソニンS」などの商品名で一般販売されているスイッチOTC一般用経口薬についても、添付文書の「相談すること」の項に同様の追記が指示された。
 医薬品医療機器総合機構(PMDA)が伝えた情報によると、ロキソプロフェンナトリウム水和物の服用との関連が疑われる小腸・大腸の狭窄・閉塞症例は直近3年度に6例報告されており、うち5例で因果関係が否定できなかった。死亡例はなかったが、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、添付文書の改訂が適切と判断された。
 一般用のロキソプロフェンで直近3年度の国内副作用症例の報告はなかったが、医療用医薬品の添付文書を改訂することから、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、同様の改訂が適切と判断された。やはり、ロキソプロフェンは長期連用は避けた方がよさそうである。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2016.03.24更新

高名な画家かつ彫刻家であるミケランジェロは手の関節炎に苦しめられていたが、仕事に打ち込み続けたために、最期まで手を使い続けられたらしい――こんな研究結果が「Journal of the Royal Society of Medicine」オンライン版に2月2日掲載された。ヴィラ・サラリアクリニック(イタリア、ローマ)のDavide Lazzeri氏らの研究成果である。
 Lazzeri氏らは、「ミケランジェロの関節炎は、ノミで彫り、槌を打つといった活動によって進行したと思われる。しかし一方で、その活動により手を使う能力は保たれたとも考えられる」と報告している。その真相は詳らかでない。
 その研究では、ミケランジェロが60~65歳のときに描かれた3枚の肖像画を分析。その結果、3枚すべてにおいて、左手の指関節に関節炎に関連した変形があることが判明した。若い時期の肖像画にはそのような徴候はみられなかったという。
 ミケランジェロが関節の疾患に苦しんでいたことは文献から明らかであり、以前は痛風が原因だとされていたが、今回の分析によって否定されたという。彼の手には炎症の徴候がなく、痛風患者の皮下に形成される小さな尿酸の結晶(結節)を示す証拠もない。結晶性関節炎ではなそそうであった。
 ミケランジェロが書いた手紙から、手の症状は中年期以降に発症したことが伺える。1552年には書字に大きな不快感を生じるようになり、最終的には手紙も書けなくなって署名のみを自筆するようになったが、それでも作品は創り続けた。1564年、彼は89歳の誕生日の3週間前に死亡したが、その6日前まで槌を打っていたということである。
 Lazzeri氏は、「変形性関節炎という診断は、彼の晩年の不器用さを説明する信憑性の高い説の1つであり、最期まで仕事を続けることで彼が疾患に打ち勝ったことを際立たせている」と述べている。使い痛みが吉と出るか凶と出るかは不明な点が多い。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2016.02.25更新

生物学的製剤(バイオ)は今や関節リウマチ(RA)に有力な治療ツールのひとつとなっている。しかし、リンパ腫の合併率が上がるのではないかと懸念されていたが、有意差は報告されていない。最近のBMJによれば、RA患者5万8967人のデータを基に、皮膚扁平上皮癌および基底細胞癌リスクを集団ベースコホート研究で検証。全生物学的製剤未治療RA患者の癌発症ハザード比は一般集団に比べて基底細胞癌で1.22(95% CI, 1.07 - 1.41)、扁平上皮癌で1.88(1.74 - 2.03)と高かった。腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬治療患者の癌発症ハザード比は、生物学製剤未治療患者に比べて基底細胞癌で1.14(0.98 - 1.33)、扁平上皮癌で1.30(1.10 - 1.55)だった。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2016.01.18更新

厚生労働省の真田丸である医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、経口抗真菌薬「イトラコナゾール」(商品名:イトリゾールなど)の使用上の注意に対し、厚生労働省が重大な副作用の項に「間質性肺炎」を追記するよう指示した。直近3年度の国内副作用症例が集積されたことなどを受けた措置としている。もともと肝障害が多く使いにくい薬剤であるが、さらに注意が必要なようである。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2016.01.09更新

 人生還暦の峠を越えると、大半の束縛から解放されて、ある程度自在に暮らせるようになるはずであるが、現実はそう甘くない。自由自在に生きることなど、そもそも困難である。ロシアの文豪ドストエフスキーによれば「自由は、孤独で平静な力の意識」と定義している。要するに、環境に支配されることなく、孤独に徹し、孤独をつき破って、それを逆手に取って環境を支配する強い力を持つ者が、真の自由人である。江戸時代の俳人松尾芭蕉は孤独に耐えて孤独を超えて、社会的に宗匠としての地位を確立した。その足跡が、蕉門十哲の向井去来の住まいであった落柿舎に垣間見れる。大原美術館館長の高階秀爾氏によれば「西洋では言葉とイメージを分離して考えたが、日本ではすでに古今和歌集の時代から両者は合体している」と述べている。確かに、医師会に多くの同窓生がいるR中学高校で綿綿と続けられているキリスト生誕無声劇「クリスマス・タブロー」に象徴されている。タブローとは仏語で「絵画」という意味で、イメージである。そこに、聖書朗読と讃美歌という言葉が付加され分離している。驚くべきは、昨年末の上演で50回を迎えたことである。日本では、和歌から連歌、俳諧、宗達vs光悦へと進化し、言葉+イメージを絵画的効果として発展させ、「書画」という言葉が醸成された。西欧に先駆けること千年で、西洋がようやくこのことに気付いたのは19世紀末のようである。美術家横尾忠則氏によれば、西洋が見えるものへの物質的信仰すなわち即物主義であるのに対して、日本は物質の背後に見えざる精霊「アニミズム」を認め、人間と自然を同一に考える日本人の宇宙観に日本人の独自性が宿っていると評している。この意味で、禅僧良寛は真の自由人であったのかもしれない。良寛は越後国(現在の新潟県)に生まれ、長じて宗門に入り、備中国(現在の岡山県)の圓通寺で修行し印可を受けた。師の亡き後、圓通寺を出て厳しい修行の行脚に出た後、故郷の越後に戻り、國上山中の五合庵で隠棲を始めたが、この時41歳であった。ここでの20年間が良寛にとって最も充実していた。従前からの修行の成果を踏まえて、更なる孤独に徹した思索と修練が、人間としても、また書画などの芸術においても一段と磨きをかけ大輪の花を咲かせた。翻って小生は良寛和尚のごとく、小さな診療所をかけがえなのない大宇宙にして、血肉を躍動させ、闊達自在にできるのか自信がないが、それを目指したい。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2016.01.09更新

 還暦というのは複雑な境目であり、手放しでは喜べないものである。恩師の元京大総長で医学会総会会頭を務められたI先生が医療系SNSにおいて「私の履歴書」を連載されており、それを拝読するにつけて、やはり長寿は重要なことと痛感している。地球温暖化の問題が議論されて久しいが、気のせいか冬が年々短くなっているような印象が強い。京都ゆかりの国文学者である田中重太郎氏によれば、清少納言の代表作「枕草紙」(以下枕)が四季の見立てのルーツだそうである。「春はあけぼの」で始まる初段は多くの人に膾炙されている。その枕の中で、冬で最も趣があるのは「つとめて」すなわち早朝である。とりわけ、冬の早朝の美しさは、後世の美意識の基となり、綿々と現在まで受け継がれている。
 京都で趣があり観光シーズンである冬が、リウマチ・膠原病患者さんに取っては苦難のプロローグでもある。関節痛やレイノー症状が悪化しはじめる季節であり、診療に気合が入る頃と言っても過言ではない。とりわけ、血管攣縮によるレイノー症状は、決定的な治療法が無いだけに、四肢末端潰瘍を見るたびに気鬱になる。医学は日進月歩するのが良いところで、今までは抑制性サイトカインであるインターロイキン(以下IL)10を使った、NOやエンドセリンを介する先進治療を進めていたが、臨床効果は十分でなかった。さりながら、肺高血圧症に使われていたエンドセリン受容体拮抗剤(以下ERA)がやっと、
強皮症による皮膚潰瘍に適応拡大された。ERA治療は、我田引水の私でも、IL10治療より臨床効果の優位性は有意に勝っていることを認めざるを得ない。サイトカインのクローニングが盛んであった頃には、サイトカインや抗サイトカイン阻害抗体が臨床応用されるとは夢にも思わなかった。T細胞から産生されるサイトカインだけをILと呼ぼうというコンセプトも3や8などが混入して、必ずしも貫徹されていない。
 話を戻して、冬の早朝は「もの悲しさ」を痛感する時期である。国学者本居宣長(以下宣長)は、紫式部の「源氏物語」の中に「物のあわれ」を見つけ、さらに「古事記」にまで遡り「言意並朴」なる太古の神々の中に、「物のあわれ」の本来の姿を発見するに至る。そして神道における「生死の安心」にまで及び、万人はみな死ねば必ず「黄泉の国」へ行かねばならず、この意味で「死」はこの世で最も悲しいことであることを知悉している。上古の人々は、この悲しい現実を素直に享受することにより「物のあわれを知る」心機を得る。惜しむらくは、自身の死に際して、もはや何事も意識するとはできず、体感できるのは「死の予感」のみである。ただ、その代り他人の死を確かめることは可能で、奇しくも我々はこれを天職としている。してみると、医師は「物のあわれ」を知る可能性が高い仕事なのだろうか?
 この疑問について、大きなヒントを与えてくれるのは、小林秀雄(以下小林)の「宣長」であろう。すなわち、この作品は、小林の天賦の叡智と鋭敏な感性、加えて自意識過多の性格を、宣長に等身大に投影したものである。そして、その中で、己自身を見出し、ひたすら宣長の中に、自己の「われ」を追求し続けた力作に思える。小林は、若くして作家を志したものの、余りにも物事の本質が見えすぎる透徹した資質の故に、作家としては大成せずに、結局評論家の道を歩むことになった。われわれ医学研究者も同じようなことが言えるのではなかろうか。予見する確度の高い医師が、研究の本質や大発見をするわけではないというのが偏見に満ちた経験則である。
 さて、そんな思いに浸りつつ、冬の伊勢路を訪れたところ、松阪山室にある宣長の奥墓には、彼の遺言のとおり山桜が植えられていた。医師たるもの、患者さんの 「物のあわれ」につとに寄り添いたいものである。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.12.03更新

 食生活が関節リウマチ(RA)の発症リスクに影響を及ぼす可能性があることが、新たな2件の研究で示唆された。この結果は米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院/ハーバード大学医学大学院(ボストン)内科准教授のBing Lu氏らによるもので、米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された米国リウマチ学会(ACR)年次集会で11月7日に報告された。
 1つ目の研究では、25~42歳の米国人女性約9万4,000人を対象として、1991~2011年に4年ごとに食生活に関する調査を行った。この期間中、約350人がRAを発症した。赤身肉や加工肉、精製穀物、揚げ物などを多く含む典型的な北米式食生活をしていた人は、果物や野菜、豆類、全粒穀物、鶏肉、魚などを多く食べている人よりもRAを発症する可能性が高かった。菜食主義者ではRA発症は少ないという結果だった。
 もう1つの研究では、女性を対象とした他の研究のデータを分析した結果、「米国人のための食生活指針(Dietary Guidelines for Americans)」に従うことで、RAの発症リスクを低減できることが判明した。Lu氏は、「今回の結果は、健康的な食生活がRAの発症を予防する可能性があることを示しており、この関連性の理由を検討するために、さらなる試験を行いたいと考えている。先行研究は個々の研究グループによって行われていたため、わずかな効果を検出するには力不足だった。そのため、食事が関節リウマチ発症に果たす役割については議論があった」と話している。
 この2つの報告は、学会報告なので真偽のほどほ未知であるが、今後の研究の発展を祈念したい。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.12.03更新

参天製薬の後進会社であるあすか製薬はこのほど、関節リウマチ寛解導入剤「オーラノフィン」(商品名:グレリース錠3mg)の販売中止と薬価基準経過措置を発表した。在庫消尽時期は2016年3月としているが、在庫状況によっては見込みより早くなる可能性もある。かつて早期関節リウマチ(RA)に頻用された経口金製剤の評価が変わりつつある。グレリースは、先発品リドーラの後発薬として1994年7月に販売を開始した。あすか製薬では、中止理由を「諸般の事情」としている。薬価基準の経過措置満了日は2016年3月31日で、同年4月1日以降は保険請求できなくなるのである。因みに、先発品のリドーラも2015年6月に販売中止が決まっており、金製剤は過去のものになりつつある。ここ10年でRAの治療もパラダイムシフトを起こした。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.10.22更新

Ann Intern Medによれば、坐骨神経痛/脊椎管狭窄症患者への硬膜外ステロイド注射の有効性/有害性を、無作為化プラセボ対照試験38件のシステマティックレビューとメタ解析で検証した。坐骨神経痛患者の疼痛、機能、短期的手術リスクの即時低下とは関連したが、その効果は臨床的意味のある最小変化量閾値を下回り、長期的効果もなかった。脊椎管狭窄患者には明らかな効果はなかった。従って、注射の感染リスクを勘案すれば、硬膜外ブロックは推奨できないことになる。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.07.09更新

米国内分泌学会は2015年4月16日、骨粗鬆症患者は健常人に比べて突発性難聴リスクが1.76倍高いという研究結果を紹介した。同学会のJournal of Clinical Endocrinology & Metabolism誌に掲載した。
 突発性感音難聴(SSHL)は原因不明の疾患で、聴力が急速に衰えていく。一般的には片耳で発症し、突然起こることも数日間かけて起こることもある。患者の約半数は自然に治癒するが、迅速な治療が重要で、ステロイドパルス治療により約85%は聴力の回復も見込める。可及的早期の治療開始が望まれる。
 本研究では、1999-2008年に骨粗鬆症と診断された台湾在住の1万660人と骨粗鬆症ではなかった3万1980人の医療記録から、2011年末までに突発性難聴と診断された人数を比較分析した。追跡期間中、SSHLと診断された対照群は155人。うち骨粗鬆症と診断された者では91人と発症リスクは対照群よりはるかに高く、SSHLも骨粗鬆症に関連した健康問題の可能性が示唆された。
 骨粗鬆症が心血管や脳血管系に影響を及ぼしているというエビデンスが増えている中で、研究者は「骨粗鬆症とSSHLの関連を裏付ける機序は不明だが、心血管リスク因子、骨脱灰、炎症、内皮障害が関与しているのではないか」と分析。全米で4000万人以上が骨粗鬆症に罹患またはそのリスクにさらされているため、骨粗鬆症患者が難聴を感じたら、速やかに受診するよう促している。日本では統計はなく人種差もあるかもしれないが、骨粗鬆症患者さんには注意を喚起したい。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

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2019/06/13
来る8/13(火)から8/17(土)の間、お盆休診致します。 休診前は8/10(土)午前診療までとなり、お盆休診後は8/19(月)午前診療から通常診療を再開します。
2019/06/13
来る7/11(木)午後診療は、研修会出席のため臨時休診させて頂きます。
2019/03/15
4/25(木)の午後診療は、日本内科学会評議委員会出席用務のために臨時休診とさせていただきます。
2018/11/07
12/29(土)~1/4(金)年末年始休診となります。年末は12/28(金)午後診療まで 年始は1/5(土)午前診療からとなります。
2018/11/07
11/27(火)午後診療 就学時健診のため臨時休診となります。
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