クリニックBLOG

2015.07.09更新

今時の若い医師は、デジタルネイティブだから、わざわざ学会に出かけていって、利益相反まみれの偉い先生のお話なんて聴かないだろうなと思っていた が、実際はどうやらそうでもないらしい。ラ ンチョンセミナーについてのアンケートでは、「参加している」と答えた医師の割合が最も高かったのは20歳代で、92.0%が参加し ていた。年齢が上がるにつれ「参加していない」と答えた医師の割合が高かったそうだ。弁当を食べ飽きたという噂もあるが。
ランチョンセミナーは医薬品に対する学会員のリテラシーを示す重要な指標である。そもそも、大会運営費を製薬企業に負担してもらおうという、学会 のたかり根性に問題がある。医師は物乞いではないと信じたいが、例によって学会のお偉いさん方は,ランチョンセミナーがないと学会が運営できないとでも言いたいのだろうが,そんな程 度のリテラシーの学会だったら存在意義があるのかと思われる。会員にとっての学会の最大の意義は,その学会に所属していることを誇りに思わせるところにあ る。企業にたからなければ運営していけいないような学会に誇りを持てるだろうか。とりわけ生物学的製剤の製薬企業は、足つき(交通費負担)・顎つき(食事付き)の講演会やランチョンセミナーがお好きである。
実はランチョンセミナーを廃止するのは簡単だ。患者さんから意見を採り入れれば、ランチョン セミナーは確実に廃止できるのだが、そうしないのは、学会幹部ばかりでなく個々の学会員のリテラシーがその程度だということを示している。肝心の お医者様達が喜んで製薬企業 のロゴの入ったボールペンをもらっているようでは、いくら学会理事長の首をすげ替えようと、臨床研究規制をICH-GCPにしようと、何も変わら ない。また、製薬企業の提灯持ちとなっているバイオスターの先生方の見識を信じたい。美意識だけは失いたくないと切に思っている次第である。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.07.09更新

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区)は2015年7月3日、チロシンキナーゼ阻害剤/抗線維化剤ニンテダニブエタンスルホン酸塩(商品名:オフェブ カプセル100mg、同カプセル150mg)が特発性肺線維症の効能・効果で製造販売承認を取得したと発表した。肺扁平上皮癌に対する分子標的薬はいくつかあるが、肺線維症に対する分子標的薬は画期的である。リウマチ・膠原病では合併症としての間質性肺炎のコントロールjは重要な課題である。ニンテダニブは特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis:IPF)の治療を目的としたIPFに対する初の分子標的薬。肺線維症の発症機序への関与が示唆されている増殖因子受容体、特に血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)および血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)を標的とする。特発性肺線維症(IPF)は慢性かつ進行性の経過をたどり、最終的には死に至る肺線維化疾患だが、現時点で利用できる治療選択肢は限られている。IPFは肺組織の進行性の瘢痕化と経時的な呼吸機能の低下を特徴とし、時間経過と共に肺の機能が失われ、主要臓器に十分な酸素が供給できなくなる。このように現在は、適応疾患はIPFのみであるが、これが二次性間質性肺炎にも拡大されることを期待したい。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.07.03更新

壊疽性膿皮症は血管炎,γグロブリン血症,RA,白血病,リンパ腫,C型肝炎,SLE,サルコイドーシスに伴うことがあり,特に炎症性腸疾患とはよく合併し,免疫反応の異常によると考えられている原因不明の疾患である。
壊疽性膿皮症の治療について、免疫抑制剤の一種シクロスポリンとプレドニゾロンの有効性は同等であることが、英国内39病院から121例を登録して行われた英国・アバディーン大学のAnthony D Ormerod氏らによる無作為化比較試験STOP GAPの結果、示された。壊疽性膿皮症治療のエビデンス報告は、これまで被験者30例による無作為化試験1件のみだが、現在シクロスポリンを使用する多くの医師が、プレドニゾロンよりもシクロスポリンのほうが有効であり副作用が少ないと確信しているという。プレドニゾロンもシクロスポリンも有力な薬剤で予測可能な副作用を有する。本検討で研究グループは、シクロスポリンのプレドニゾロンに対する優越性を検討したが、結果は同等の臨床効果であった。欧米では、シクロスポリンなどマイクロチュブルスに対する免疫抑制剤は使用期間が3年以内と規定されているものの、本邦では長期に使用されている。日和見感染などが懸念されるなか、今後の治療方針の整備が待たれる。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.07.02更新

昨今米国と日本の鎮痛に対するスタンスが問題になっている。米疾病対策センター( CDC)が昨年取り組んだ諸対策トップ10のなかでとくに意外に感じたのが「処方鎮痛薬の過剰摂取」。死亡最大要因のひとつということで、毎日44人が死 亡という説明にはびっくりした。近年米国で急浮上してきた深刻な課題で、オピオイドの過剰摂取によるものである。
 米国人は、人口の3分の1が慢性疼 痛を抱えていて傷害保険金支払のトップという。何かというとすぐアスピリンに手が伸びる国民として知られていて、その癖が今オピオイドに切り替わって深刻 な事態を招いてしまったようである。痛みを我慢しない国民性が如実に反映されている。さらに問題は膨らみ、オピオイド過剰使用をきっかけに、違法薬ヘロインを乱用するケースが増えており、これによる中毒 死亡者数が前年比で約44%も大幅増加。併せて、コカイン関連死も12%増加、深刻さを深めている。疼痛に伴う社会経済的損失は、年間約60兆円(換算) に上ると推計されており、混迷の根は深い。奇しくも、日本の大手自動車企業の外国人役員が違法薬物をもちこもうとしたのではないかとの疑念がもたれている。オピオイドの適正使用が待たれる。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.06.29更新

中等度~重度の慢性尋常性乾癬に対し、トファシチニブ(商品名:ゼルヤンツ、慢性尋常性乾癬に対しては未承認)の10mg1日2回投与はエタネルセプト(50mgを週2回)に非劣性であり、プラセボより優れることが示された。フランス・サンルイ病院のHerve Bachelez氏らが第III相の無作為化非劣性試験の結果、報告した。トファシチニブは、経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬である。今回の検討では、トファシチニブの5mgまたは10mgの2種の用量について、高用量のエタネルセプトおよびプラセボとの比較が行われた。その結果有用性が確認されたというものである。現在日本では、関節リウマチの保険適応しかないが、今後適応拡大の可能性がある。従前より、悪性腫瘍や帯状疱疹が問題となってきたが、現在では他の製剤に比して優位に高リスクとは言えないと評価されつつある。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.06.16更新

当院のサボテンの花が咲きました。メキシコ原産の多年生草本。高さ2~3 mに生長し、茎は肥厚した長楕円型で、表面は針で覆われている。夏にピンク色の柄のない花を付け、丸みを帯びた紫色の果実を付ける。メキシコでは食べ物の一つとして、また民間薬として創傷の応急手当や下痢などの消化器症状に用いられてきた。アロエもどきであるが、ヒトでの有効性は、糖尿病、二日酔いに対して経口摂取で有効性が示唆されているものの、関節リウマチ(RA)に関しては外用剤としての有効性が示唆されているもののエビデンスはない。安全性については、妊娠中・授乳中の摂取には信頼できる十分な情報がないため、使用を避ける。


投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.04.13更新

第29回日本医学会総会の学術講演が4月11日から13日までの3日間の日程で京都市で開催され、会頭の元京大総長の井村裕夫氏は、「日本の未来のために、いま医学・医療は何をなすべきか」をテーマに開会式で講演、「2025年問題」と称される高齢社会の医療を乗り切る方策として、「先制医療」の重要性を強調した。日本が高齢化社会を迎えることは不可避である。高齢者が急速に増加する時代で必要となるのが、「非感染性疾患」(NCD)への対応だ。「非感染性疾患」(NCD)は、遺伝素因と環境因子の相互作用が考えられ、加齢とも関係し、無症候期が長いなどの特徴を有する。最近、研究が進んでいるのが、遺伝素因と環境因子の相互作用。もっと分かりやすく言えば、「胎生期に貧しい環境にあると、生後も貧しい環境で生きていけるよう、体格は小さくなる。しかし、生後、急に豊かな環境に変わると、メタボリックシンドロームなどを発症しやすくなる。発展途上国で、糖尿病や心臓病などの増加が見られることも、これにより説明できる」となる。井村氏が「予防医学」ではなく、「先制医療」との言葉を使うのは、理由がある。「集団の予防」が主である「予防医学」とは異なり、「先制医療」は「個の予防」に重点を置き、遺伝素因を調べ、ハイリスク者を見つけ、バイオマーカーなどで発症前診断を行い、発症前介入などを行っていくことを想定しているからだ。こうした取り組みが喫緊の課題であるのが、アルツハイマー病だという。これまでは、「病気になる人を待っている」医療だったが、先制医療が求められる時代では、「今までとは違った新しい公衆衛生の在り方を追求していくことが必要」とした。その上で、少子高齢社会の医療の課題として、(1)病診連携の確立、(2)終末期医療、(3)医療資源の効率のよい活用、(4)チーム医療、(5)周産期医療・小児医療の充実、(6)医師養成の在り方――を挙げ、「詳細構想の検討が喫緊の課題」と述べた。リウマチや膠原病にもこのようなアプローチが必要であろう。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.01.28更新

本研究の目的は、診断特異性が高い抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体陰性およびX線画像上のびらんの不在下での関節リウマチ(RA)の臨床的疑い例の確定診断における磁気共鳴画像法(MRI)の実行可能性を評価することにあった。MRIはコストも高くすべての医療機関でしこうできるものではないので、クリニックでの意義は不明である。しかし、外注検査クリニックやMRI検査受注病院もあり、日本は欧米に比して、有利かもしれない。結果は、手関節における対称性の滑膜炎と同部位における骨びらんスコアの高値の所見がMRIから得られれば、抗CCP抗体陰性患者におけるRAの早期診断の助けとなる可能性があることが明らかとなった。抗CCP抗体の陽性率は約60%であり、陰性の40%の早期診断にMRI検査が有用であることが示唆された。骨変化を来す前に思料介入するのが現在の主流であるから、レントゲン検査で異常がなくとも超音波検査ないしMRI検査は実施するのが早期RA患者さんには望ましい。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.01.20更新

本研究では、糖質コルチコイド(ステロイド)により完全奏効が得られなかった特発性多発性筋炎患者にシクロスポリンおよびメトトレキサート(MTX)を追加投与した場合の有益性をプラセボ対照要因ランダム化比較試験(RCT)において評価した。その結果、MTXおよびシクロスポリンは(単剤または併用して追加投与した場合)、糖質コルチコイドにより完全奏効が得られなかった筋炎患者において臨床像を改善しないことが示唆された。日本では、この組み合わせの治療はされているが、有効性に対するエビデンスはない。
多発性性筋炎(BohanとPeterの診断基準により)で副腎皮質ステロイドを投与されている成人患者を組み入れた。
56週間の多施設共同要因デザイン二重盲検プラセボ対照RCTにより、ステロイド薬のみ、MTX(週に15-25mg投与)とステロイド薬併用、シクロスポリン(1-5mg/kg/日)とステロイド薬併用、および3種類の治療薬をすべて併用した場合を比較した。
合計359人をスクリーニングし、58人をランダム化した。
58人のうち37人が12カ月間の治療を完了し、7人が追跡不能となり、14人が治療を中止した。
12カ月間の治療を完了した患者では、徒手筋力テスト(14%変化)、歩行時間(22%変化)および機能(9%変化)において統計学的に有意な改善が見られた(対応のあるt検定でP<0.001)。
Intention to treat解析および完了例に基づく解析から、ステロイド薬にプラセボを追加した場合に比べて、シクロスポリン単剤療法の追加、MTX単剤療法の追加およびシクロスポリンとMTX併用療法の追加に統計学的に有意な治療効果は見られないことが示された。しかし、日本ではこの併用療法はよく使用されており、本邦での治療成績の解析を期待したい。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2015.01.12更新

 米国リウマチ学会(ACR)は11月27日、ACRの学会誌Arthritis & Rheumatismに掲載された米国の小都市におけるリウマチ専門医不足についての最新調査結果を紹介した。これは、日本にも当てはまることであり、日本リウマチ学会(JCR)も専門医と学会認定施設の分散を推進している。
 2005年のACR労働力調査では、リウマチ専門医の不足数は2010年までに400人、2025年までには2500人に増大すると推定している。今回の調査では、ACR会員データを利用して、米国でのリウマチ専門医の開業分布を調査。その結果、開業しているリウマチ専門医3920人のうち90%が首都圏で開業。小都市での開業は3%、農村部では7%であった。また、小都市のなかにはリウマチ専門医が200マイル以内にいなかったり、地域内に全くいなかったりする地域も見られた。開業地域は人口の多い地域に集中しており、平均収入も高い。この傾向は日本でも同じで、首都圏と京阪神圏などの都会に集中している。とりわけ内科系リウマチ専門医は首都圏に集中している。
 自己免疫疾患や炎症疾患患者にとって、関節の損傷を最小限に抑え、身体機能を改善し、寛解に至るためには発症から最初の数カ月が最も重要である。そして、リウマチ専門医が早期診断と治療の中心となる専門医となる。加えてリウマチ類縁疾患の鑑別診断が重要であるが、整形外科系リウマチ専門医は膠原病やリウマチ性多発筋痛の診断や治療に難があることが少なからずある。
 この研究著者らは、リウマチ専門医の不足している地域への専門医補充には介入が必要であるとしている。地域ごとの最新リウマチ専門医数データの提供、不足地域の会員に対する資金提供の増大、ナースプラクティショナー(NP)および医師助手(PA)の役割拡大に取り組むようACRに提案している。日本でもリウマチエキスパートナースの養成を推進しているが、まだ十分効果を上げているとは言えない。リウマチ医療は、専門医のみならず、看護師、薬剤師、理学療法士などのチーム医療が必要である。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

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2018/11/07
12/29(土)~1/4(金)年末年始休診となります。年末は12/28(金)午後診療まで 年始は1/5(土)午前診療からとなります。
2018/11/07
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台風21号の為に、本日午後の診療は臨時休診とさせていただきます。
2018/06/18
来る8/13(月)から8/18(土)の間休診致します。 休診前は8/10(金)午後診療までとなり、休診後は8/20日(月)午前診療から通常診療を再開します。
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石田内科リウマチ科クリニック TEL:075-201-7244 9:00~12:00/16:00~19:00 休診日 水曜午後/土曜午後 日曜祝日 科目 内科・リウマチ科・膠原病・アレルギー お問い合わせ セカンドオピニオンについてセカンドオピニオンについて クリニックBlogクリニックBlog