口内炎や葡萄膜炎などの目の炎症などを繰り返し、失明にいたることもある難病「ベーチェット病」のなりやすさにかかわるDNA配列を、横浜市立大などの国際研究グループが見つけた。治療薬の開発につながる可能性があるという。米専門誌ネイチャー・ジェネティクス電子版に7日発表された。ベーチェット病はトルコの皮膚科医ベーチェットが発見した疾患である。
ヒトのDNA配列はほとんど共通しているが、わずかに個人差(SNP)があり、薬の効き方や病気のなりやすさなどにかかわる。ベーチェット病については、これまで複数のSNPが報告されてきたが、他にもあると考えられていた。しかし、これが直ちに治療薬にちょっけつするものではない。
グループは、日本、トルコ、イランなどのベーチェット病患者3477人と、健康な人3342人のSNP20万個を比べた。その結果、新たに6カ所のDNA配列の領域のSNPが、病気のなりやすさにかかわることがわかった。これを疾患感受性遺伝子と呼ぶ。
ベーチェット病は、細菌などに感染した後に、免疫反応が過剰に炎症が起こる病気と考えられている。今回見つかったSNPは、病原体が皮膚から体に入るのを防いだり、炎症を起こしたりする遺伝子にかかわるものだった。体が反応する仕組みがわかれば、治療薬の開発につながる端緒となる可能性がある。
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