関節リウマチ(RA)のアンカードラッグであるメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)について、長年問題となってきたテーマであります。MTX-LPDは、免疫抑制薬であるメトトレキサートの投与中に出現するリンパ増殖性疾患です。日本で報告のある症例の発症年齢中央値は67歳、MTX投与後約5年で発症しています。
MTX-LPDにおけるリンパ腫の発生部位は半数がリンパ節ですが、残り約50%は節外病変として発生しています。組織型はびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)が35-60%と最も多く、次にホジキンリンパ腫が12-25%と多くみられます。
メトトレキサートの投与期間、投与量と発症の因果関係は証明されていませんが、25-60%にEBウイルスの感染が証明されています。メトトレキサートの休薬に伴って、約30%が1カ月以内に症状の寛解を得ますが、約50%は寛解後に再燃するとも言われています。経験的には、早期に増量した症例や、投与量が10mg/週以上の患者さんに多いような印象があります。
MTX-LPDの治療は、診断後まずメトトレキサートを中止し、2週間の経過観察を行います。寛解や症状の軽快があればそのまま経過観察となりますが、不変や増悪、あるいは寛解後の再燃がある場合は、化学療法が選択されます。早期に発見して、診断し、適切な治療が必須であることは自明です。
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