ステロイド薬使用は大腿骨骨折の2番目に強い危険因子の第2位であると報告されている。ステロイド性骨粗鬆症の正確な患者数はわかっていないが、3カ月以上ステロイドを使用している人が約150万人とされることなどから、全国100-200万人と推定される。
ステロイド投与により少量でも早期に骨折リスクが高まり、3-6カ月で骨折リスクがピークに達する。ステロイド性骨粗鬆症では短期間で骨質が著しく劣化し、骨密度が正常であっても骨折率が上昇する。脆弱性骨折により4年間死亡率が大腿骨骨折で6.7倍、脊椎骨折で8.6倍に高まり、骨折を起こさないことが重要である。ステロイド性骨粗鬆症はわれわれの処方する薬剤により引き起こされるものもあり、的確な予防と管理、治療が必要である。ステロイド性骨粗鬆症に関するガイドラインは1996年に米国リウマチ学会(ACR)より初めて発表された。その後、ビスホスホネート製剤をはじめ新規骨粗鬆症治療薬が登場し、その臨床試験が報告され、各国のガイドラインおよび米国・英国の改訂版が発表された。日本では2005年に「ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン2004年度版」が発表された。 初めて一次予防が提唱されたのは2001年のACRの改訂ガイドラインで、プレドニゾロン5mg/日以上、3カ月以上を投与予定の患者に対しステロイド投与開始と同時にビスホスホネート製剤の投与が推奨された。また、投与量にかかわらずステロイド投与によって骨折リスクが高まることが報告され、2002年の英国の改訂ガイドラインではステロイド投与量の記載が削除された。2007年にはWHOから骨折リスク評価ツールFRAXが発表され、その後の欧米のガイドラインで採用されている。欧州では医療経済学的な面も考慮し、年齢に応じて治療介入基準を引き上げている。また、ステロイド投与量に応じてFRAXに係数を掛けるフレームワークが発表されている。リウマチ膠原病の患者さんの骨の管理は重要である。
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