炎症性腸疾患へのTNF-α阻害薬、がんリスクは増大せず
2014.07.03更新
関節リウマチ(RA)にも使われるTNF-α阻害薬の炎症性腸疾患(IBD)患者への投与は、がんリスク増大と関連していないことが、デンマーク・血清研究所(Statens Serum Institut)のNynne Nyboe Andersen氏らによる同国レジストリ患者対象コホート研究の結果、報告された。追跡期間中央値3.7年で、TNF-α阻害薬投与群と非投与群の補正後がん発症率比は1.07であったという。TNF-α阻害薬治療後のがんリスクを含む有害事象の検討については、コクランレビューとネットワークメタ解析の結果、全国レジストリの大規模データベースに基づく評価が適切であるとの結論が示されていた。JAMA誌2014年6月18日号掲載の報告より引用。日本では、日本リウマチ学会(JCR)がリンパ腫などの発症頻度について検討しているが、現在のところTNF-α阻害薬ががんリスクを増大させるという知見は得られていない。
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