かねてより、RA患者さんを診ていると、「雨が振る前はわかる」とか「台風などで気圧が変化すると分かる」という話はありました。これは、経験則としては古老より指摘されていましたが、気圧が低いほど関節リウマチ患者のはれや痛みが増えることを、最近京都大のグループが確かめました。天気が悪いとリウマチも悪くなると昔から言われているが、通説の湿気より気圧の方が明確な関連があったことが判明しました。これは、しっかりとデータに起因するもので、科学的エビデンスに裏打ちされたものです。
京大ゲノム医学センターの寺尾知可史(ちかし)特定助教らは、同院通院RA患者約2100人の受診データと京都市の気象データの関係を検証した。すると、気圧が低いほどはれや痛みのある関節の数が増え、患者の自覚症状も悪かった。特に3日前の気圧がもっとも症状と関係していた。湿度も関係するものの、気圧ほどはっきりした統計学的関連がなかった。気温は無関係だった。
血液のデータ(血沈やCRP)とは関係しないので、病気の進行には影響しないと考えられる。「梅雨時は関節が痛む」「痛みがひどくなると天気が悪くなる」など天候との関係は以前から知られていたが、患者個人のそういった実感を統計学的に実証したのは世界で初めて。ただし、理由は不明であある。
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