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2013.07.17更新

米国整形外科学会(AAOS)は6月4日、変形性膝関節症(OA)治療に関する臨床診療ガイドライン(CPG)改訂版を発表した。ヒアルロン酸関節内注射治療を推奨しないと明記した。米国でも変形性関節症(OA)は摩擦による関節軟骨消耗が原因の関節炎とも知られ、65歳以上に発症することが最も多い。米国では約3300万人がOAに罹患し、身体障害の主因となっている。日本でも高齢化の進行によりOA罹患者は増加している。本CPGは膝関節置換形成術(TKA)より侵襲性の少ない治療を対象としている。2009年CPGから変更された主要推奨事項は、アセトアミノフェンとヒアルロン酸関節内注射に関する2点である。アセトアミノフェンの推奨用量は4000 mgから3000 mg/日に減った。これはFDAが2009年以降にアセトアミノフェン使用者全般に対して変更したことによる。ヒアルロン酸の関節内注射は、14件の試験のメタ解析において臨床的に重要な改善を意味する最小閾値に達しておらず、症候性の変形性膝関節症(OA)治療法としてもはや推奨されないものとしている。日本では、症候性OAについては、ヒアルロン酸関節内注射が頻繁になされている。ロコモティブシンドロームの代表格であるOAについて、このような見解が示されたのは、大きな衝撃であろう。「OAの症状のみで、関節内遊離体や半月板損傷など他の問題が見られない者には、関節鏡下洗浄治療は行わない」「BMI25超の肥満者は最低5%減量する」「低負担の有酸素運動を積極的に取り入れる」などが盛り込まれている。患者が主体的に治療に取り組むことが、痛みを軽減し、良好な健康状態を実感するに最適な方法の一つである。太り気味であれば、減量が進行を遅らせるためにできる最善策でもある。また、大腿四頭筋筋力トレーニングも有効な治療法である。関節リウマチ(RA)患者さんに、膝関節OAの合併は多い。米国整形外科学会がヒアルロン酸の無効を判定したような非推奨の報告が出てしまった。これまでOAは軟骨の変性摩耗と叫び続けてきた方々のコメントを待ちたい。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

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