日本リウマチ学会の高崎芳成理事長と抗リウマチ薬市販後調査小委員会の三森経世委員長は6月18日、新しい経口関節リウマチ治療薬(DMARD)トファシチニブ(商品名ゼルヤンツ)の適正使用ガイドラインの策定と、ファイザー社が実施する市販後全例調査への協力を決めたことを報告した。市販後調査では、今後策定する指針に基づき選択したトファシチニブ投与群と比較対照群を設定し、3年間の臨床データを蓄積、特に安全性について重点的に評価することになった。日本リウマチ学会は、厚生労働省より正式に調査への協力要請を受けたことを説明し、「本製剤の実臨床における真の有用性を世界に先駆けて評価する点で大きな意義がある」と、学会員に協力を要請している。市販後調査症例数は4000例で、慎重な対応が求められている。本薬剤は今年3月に製造販売承認を受けたが、保険収載されていない。日本リウマチ学会は海外の情報を踏まえ、従来の生物学的製剤と比べ副作用のリスクが高い可能性を表明し、国やファイザー社に慎重な対応を要望していた。厚生労働省はファイザー社に対し、本薬剤自体の全例調査に加え、既存薬との長期的な比較調査の実施を要請している。感染症リスクや悪性腫瘍発生リスクが最重点課題である。帯状疱疹が多いのも気になる。米国では認可されたが、欧州では認可されなかった背景にも留意すべきであろう。Jak3阻害剤というユニークな薬剤だけに、位置づけがどうなるかによって、今後のリウマチ治療のガイドラインにも影響する。
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