外科手術とギラン・バレー症候群(GBS)の関連を示唆する研究結果が明らかになった。特に癌患者や自己免疫性疾患患者でリスク上昇が大きかった。GBSは神経難病で、ステロイドパルス治療法や免疫グロブリン大量療法などを行うが、血漿交換療法の有効性が高い。米国神経学会(AAN)が11月23日、学会誌Neurology Clinical Practice誌の掲載論文を紹介した。
研究グループは、メイヨークリニックで過去20年間にGBSの治療を受けた患者208例の医療記録を精査。全例の15%に当たり31例が、手術後8週間以内にGBSを発症した。
特に癌や自己免疫疾患の患者では、手術後のGBS発症リスクが上昇。手術前6カ月以内に癌と診断されていた患者ではそうでない患者に比べ7倍、手術前に潰瘍性大腸炎や1型糖尿病などの自己免疫性疾患があった患者では、そうでない患者に比べ5倍のリスク上昇が見られた。
研究グループは「手術後のGBS発症は極めてまれ」としながらも、癌あるいは自己免疫性疾患患者では発症リスクが高まっている可能性があることから詳しい研究が必要とのコメントを出しているが交絡因子が多いので、多変量解析の結果を待ちたい。
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