アクテムラの新型コロナ肺炎の有効性いかに
2020.05.16更新
関節リウマチ(以下RA)に対する治療薬であるアクテムラ(一般名トシリズマブ)が、新型コロナウイルス肺炎に有効であるという報告がある。一般的な見解からすると、RAに細菌性肺炎や間質性肺炎を合併したときには、アクテムラは禁忌とされている。しかるに、何故新型コロナ肺炎には有効なのであろうか不思議に思われる。それは、ウイルス増殖期には、炎症性サイトカインであるIL-1,IL-6,TNFαが急激に産生されると推認される。とりわけCRPが高い症例ではIL-6が高値であることが多いため、IL-6レセプター阻害剤であるアクテムラがその悪循環をとめることができるようである。もちろん、全例に有効な訳ではなく、一部がレスポンダーであろう。有効な症例のマーカーの探索が待たれる。この効果の機序の解明の伸展を期待したい。
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