2014.11.18更新
難病法が平成27年1月から施行されるのに伴い、対象疾患が拡大されることはすでにお知らせしました。すでに認定されている患者さんはすでに更新手続きをされたと思います。現時点で、新規に指定難病となるものをお知らせします。関節リウマチ類縁疾患では、成人スチル病、全身性若年性特発性関節炎(JIA)です。血管炎類縁疾患としては、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎:TA)、好酸球性多発性炎症肉芽腫症(チャーグストラウス症候群ないしアレルギー性肉芽腫性血管炎:AGA)、再発性多発性軟骨炎(RP)などです。SLEに合併することで知られている抗リン脂質抗体症候群で、原疾患がない原発性抗リン脂質抗体症候群、また関節リウマチに効率に合併するシェーグレン症候群(SS)も対象となっています。ですから、新規認定の候補となる患者さんは積極的に申請をお願いしたいと思います。新制度の新規申請は各都道府県の保健所等に行います。該当疾患の患者さん宛に所轄の保健所から申請書類が自動的に送られてくるわkではありません。ですから、新規申請の場合は、申請書類については最寄りの管轄保健所等にお問いわせください。申請の際に必要となる臨床個人調査票(診断書)はあ、新制度のの新様式のものを使用します。臨床調査個人票は、旧制度では医師なら誰でも記載作成できましたが、新制度では専門医の資格を有する「難病指定医」しか記載作成できません。認定基準は「重症度分類等」の新制度の基準になります。さまざまな手続きは、都道府県により異なりますので、最寄りの管轄保健所にお問いあわせ下さい。
投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック
2014.11.13更新
最近のNEJMによれば、抗TNFα剤であるエタネルセプト(ETN)の早期関節リウマチ(RA)患者に対する有効性が検討された。
かねてより、ETNはMTX併用必須ではないが、単剤とMTX併用とどちらが有効かについては、MTX併用が有効率が高いと言われていたものを証明した結果となった。306例の早期RA患者(MTXや生物学的製剤の治療歴がないバージンケース)に対して、最初の52週はETN50mg/WとMTXで治療して、その後に、ETN+MTX群・MTX群・偽薬群にランダムに割り付けた。1次エンドポイントは連ダムに割り付けて治療した後の寛解率とした。結果は63%・40%・23%であった。やはり、ETNはMTXと併用すると有効率が上がることが証明された。画像的変化には、3群で差が出なかったということで、ETNには骨破壊を抑制する効果は顕著でないことが証明された。もっとも他のバイオ製剤で画像的に改善したという報告は怪しいと個人的には考えている。
投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック
2014.11.11更新
高齢女性の低骨密度(BMD)すなわち骨粗鬆症にはいくつかの生殖因子が関連しているが、高齢出産がBMDに及ぼす長期的影響を評価した研究は欧米や日本ではほとんどない。そこで、65歳以上の736人の韓国人女性のデータを解析した報告があった。736人のうち426人(60.1%)が骨粗鬆症を罹患していた。35歳時以上の出産経験がある女性の割合は38.9%であり、19.2%が青年期における出産歴があった。共変量調整後の多重ロジスティック回帰分析から、高齢出産歴のある高齢女性は高齢出産歴のない高齢女性に比べて骨粗鬆症のリスクが高い(2.164倍、95%信頼区間 1.109-4.223)ことが明らかとなった。しかし、青年期における出産歴がこのリスクに影響を及ぼすことはなかった。すなわち、高齢出産によるホルモン環境が、後の骨粗鬆症のリスク因子になるということである。日本でも、晩婚化に伴い高齢出産は増加傾向にある。関節リウマチや膠原病で、高齢出産の既往がある患者さんには、早いうちから骨密度の計測が推奨される。
投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック
2014.11.09更新
年末の診療は12月27日(土)の午前診療までとなります。12月28日(日)から1月4日(日)は休診となります。来年年始は1月5日(月)
から通常どうりの診療をいたします。2月ないし3月に一度来院される患者様は、休診期間中に定期薬が切れないか確認お願いします。また、生物学的製剤を定期的に投与されている患者さんも日程調整をする必要がある可能性がありますので、ご注意ください。
投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック
2014.11.09更新
生物学的製剤である抗腫瘍壊死因子(TNF)薬(エタネルセプト)で治療後、臨床的完全寛解を得た難治性びまん性硬化性骨髄炎(DSO)の臨床症例を報告があった。併せて、DSOについてシステマティックレビューを行い、治療の現状を調査した。DSOはSAPHO症候群の局所兆候と考えられており、SAPHO症候群の治療は概ね経験的治療に依存し、重症例では疾患修飾性抗リウマチ薬が使用される。抗TNF薬の使用により比較的迅速に症状を抑えることができ、効果も長期に持続する。根治的手術は疾病の自然史を考慮すると避けるべきと考えられている。 この報告において、DSO根治的手術に反対し、学際的アプローチを推奨している。しかし、日本ではSAPHO症候群に伴うDSOに対して、エタネルセプトの保険適応はない。
投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック