クリニックBLOG

2014.10.09更新

全身性強皮症(SSc)を対象としたこの単一施設研究では、肺動脈性肺高血圧(PAH)の頻度およびSScとの関連を、PAH単独の発症(SSc-PAH)または間質性肺疾患との併発(ILD-PH)において明らかにすることを目的とした。結果はPAHがSSc患者の約4人に1人の割合で見られることを示したことから、SSc患者の管理では高度な心肺検査をルーチンで行うべきである。SScは肺病変や腎病変が合併しなければ、致死的疾患でない。少なくとも、心臓超音波検査はあルーチンに行うべきであろう。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.10.07更新

慢性疲労症候群(CFS)または線維筋痛症(FM)の患者の自律神経機能、疼痛、疲労および日常機能に対するリラクゼーション療法の効果を証明することである。疼痛に関する誘導イメージ療法の急性効果については中等度のエビデンスがあるが、視覚化の内容については議論の的となっている。他のリラクゼーション法と機能性や自律神経機能に対する効果についてはさらなる研究が必要である。文献のシステマティックなレビューを実施した。線維筋痛症または慢性疲労症候群およびリラクゼーション療法に関連した具体的なキーワードを用いて電子データベースのPubMedおよびWeb of Scienceを検索したもので、組み入れた文献のバイアスリスクを評価し、リラクゼーションについての関連情報を抽出した。13件の十分な質を有するランダム化臨床試験を組み入れ、合計650人の線維筋痛症患者(11件の研究)と88人の慢性疲労症候群患者(3件の研究)がレビュー対象となった。
自律神経機能に対する効果を報告した研究はなかった。
6件の研究は線維筋痛症における疼痛および日常機能に対する誘導イメージ療法の効果を報告していた。
1回の誘導イメージ療法セッションによる急性効果が2件の研究で検討されており、この療法は鎮痛に有益であると考えられる。
他のリラクゼーション法(例、筋肉リラクゼーション、自律訓練法)については、集学的治療プログラムとの比較において線維筋痛症患者の疼痛および機能に対する決定的なエビデンスは見つからなかった。治療の困難さを痛感された。
疲労については、慢性疲労症候群患者を対象とした3件のみの研究で示されたように、集学的アプローチがリラクゼーションよりも優れていると考えられた。いずれにしても、もっと疾患の認知度を上げる努力をすべきであろう。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.09.26更新

線維筋痛症(FM)の6項目の中核症状に対する薬物療法および非薬物療法の有効性プロファイルの特性を明らかにし、比較することだった。適切にデザインされた臨床試験において複数のFM症状カテゴリーに対する顕著な改善が示された薬剤はほとんどなかったのに対し、検出力が劣る試験デザインにおいて非薬物療法は多面的な効果が証明された。
薬物療法または非薬物療法をプラセボまたはシャム治療と比較したランダム化比較試験の解析を行った。
FMの6つの症状カテゴリー、すなわち、疼痛、睡眠障害、疲労、情動性症状(抑うつもしくは不安)、機能障害および認知機能障害のうち2項目以上の評価が含まれた文献を対象に解析を行った。薬物療法を検討した研究(n=21)は限られた種類の症状(ほとんどが疼痛)の治療に関するものが大部分だった。研究の質は高かったが、複数のFM中核症状領域の管理に関する有効性を同時に立証するようにプロスペクティブにデザインされたものではなかった。アミトリプチリンのみが3項目ものFM中核症状に対する統計学的に有意な効果を示したが、副作用が多く早期にタキフィラキシーが生じた。非薬物療法に関する研究(n=64)は質が低いものが多かったが、多面的な治療ターゲットに関するものが多かった。プール療法は5項目、反復経頭蓋磁気刺激は4項目、温泉療法は3項目、運動療法、認知行動療法およびマッサージはそれぞれ2項目の症状領域に統計学的に有意な効果を示した。薬物療法と非薬物療法の違いは、作用機序や忍容性プロファイルおよび試験デザインの違いに関連している可能性があることが判明した。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.09.22更新

へバーデン結節の治療希望で来院した患者から、前医でパロチン(唾液腺ホルモン製剤)を処方されていたので、当院でもお願いしたい、と言われました。
白内障や角皮症に適応がある薬剤ですが、メーカーに聞いてみると、23年前まではへバーデン結節にも適応があったようです。 しかしエビデンスがないので適応外となったようです。理論的には効果があるとは思えませんが、NSAIDよりは安全化もしれません。
関節リウマチとヘバーデン結節の違いが分からない患者さんも多いので、効果があれば使ってみたいですが、文献検索しても有用であったというものは見当たりません。m3.comで議論になっているようですが、私はあまり肯定的な印象はもっておりません。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.09.22更新

健康食品として名高い、ヒアルロン酸とグルコサミンについての話題です。プロスペクティブ観察研究では、グルコサミン塩酸塩の経口投与による3カ月間の治療に加えて、週1回合計5回のヒアルロン酸注射を受けた変形性顎関節症(TMJ-OA)患者における口腔の健康に関するQOL(OHRQoL)の変化を評価した。研究者らは、TMJ-OAは患者のOHRQoLに悪影響を及ぼし、OHRQoLの短期的スコアと長期的スコアはいずれも治療後に正常レベルまで改善した。この傾向は、若年者で顕著であった。変形性顎関節症は難治性の疾患なので、大いに期待したい。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.09.20更新

10月15日からインフルエンザ予防接種が始まります。
インフルエンザ予防接種のみで来院される患者様へのお知らせです。
できれば、下記の時間帯に来院して頂けると助かります。
火曜日・木曜日・金曜日の15:45~16:00
水曜日・土曜日の11:30~12:00
事前に電話連絡頂き、上記時間帯にお越し頂ければ幸いです。
ステロイド・MTX・プログラフ内服中の患者さんや、生物学的製剤投与中の患者さんは
接種を特にお勧めします。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.09.13更新

ナチュラルキラー(NK)細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)をコードするKIR遺伝子は、リガンド(特に、ヒト白血球抗原[HLA]-C分子)の存在により、幾つかのTリンパ球サブセット(例えば、CD4陽性CD28陰性KIR陽性)に加えてNK細胞のエフェクター機能および制御的機能に影響を及ぼす。さらに、KIRとKIRリガンドの相互作用により、関節リウマチ(RA)を含む自己免疫疾患が発現する可能性がある。しかし、メトトレキサート(MTX)療法に対するRA患者の反応におけるKIRとKIRリガンドの役割は不明である。この結果から、赤血球沈降速度(ESR)値が中程度だったRA患者のMTX治療に対する反応は、完全長KIR2DS4遺伝子に影響される可能性があることが示唆された。これによりMTXに対する反応性が予知できるかもしれない。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.09.01更新

全身性エリテマトーデス(SLE)によるループス腎炎患者における低アルブミン血症、高脂血症、ネフローゼ症状および腎炎症状の重症度の関連を評価した。
ネフローゼレベルのタンパク尿、総コレステロール値の上昇および血清アルブミン値の低下がSLE患者の腎障害の活動性および重症度を反映している可能性が示唆された。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.08.29更新

全身性エリテマトーデス患者の一部に合併する抗リン脂質抗体症候群(APS)の血管病変の形成には、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体(mTORC)の分子経路が関与している可能性があることが、フランス国立保健医学研究機構(INSERM)、パリ・デカルト大学(第5大学)のGuillaume Canaud氏らの検討で示された。APSの主な特徴は血栓症とされるが、慢性血管病変もよくみられ、とくに生命に関わる合併症を有する患者で頻度が高く、移植を要する患者では再発病変が高頻度にみられるという。APSの血管障害に関与する分子経路は知られておらず、適切な治療法は確立されていない。日本では、習慣性流産や不妊、下肢血栓症を契機に見つかることが多い。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

2014.08.28更新

118例のスペイン人閉経後女性を対象として、50-65歳の閉経後女性における姿勢の安定性および転倒に対する恐怖と骨密度(BMD)の関係を検討した。65歳以下の閉経後スペイン人女性では、BMD≦-2.0SDと姿勢不安定(開眼での足圧中心[COP]動揺パラメータの速度および正中側面軸でのCOP動揺パラメータ上昇)ならびに転倒に対する恐怖増大の間に関連が見られた。この2つは、転倒リスクに強い影響を及ぼす要因である。

投稿者: 石田内科リウマチ科クリニック

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2024/01/15
令和6年2月より、月曜日午後診療はセカンドオピニオン専用外来とします。
2023/12/13
年末年始の診療は、年末は12月27日(水)まで診療します。 年始は1月4日(木)より診療再開します。
2023/08/02
【夏季休診のお知らせ】来る8月10日(木)から、8月16日(水)はお盆休みの休診となります。
2023/01/11
【休診のお知らせ】先週末の連休中に、コロナ感染が判明して、一週間の自宅隔離、療養となったため、今週は臨床休診となりますので、よろしくお願いします。
2022/10/28
年末は、12月28日水曜日午前診療まで行います。 年始は、1月5日木曜日午前診療から診療再開します。 ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
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