新専門医制度の実施は延期、試行となる
2016.06.01更新
いろいろと論議があった新専門医制度であるが、ここにきて本格実施はみ送られることになった。厚生労働省は、社会保障審議会医療部会「専門医養成の在り方に関する専門委員会」(委員長:永井良三・自治医科大学学長)の5月30日の第3回会議で、新専門医制度は予定通りスタートせず、2017年度は"試行"で実施することを提案した。専門医養成の研修プログラムは、学会が実質的に認定するほか、本専門委員会が、専攻医数の激変や偏在を防ぐため、診療領域別、都道府県別、プログラム別の専攻医定員を設定する内容となった。なかなか足並みは揃わなかったようだ。いずれにおいても、日本専門医機構の役割は限定的なものに落ち着いた。"試行"を進めつつ、同機構の体制や、2018年度以降の専門医養成の在り方については、本専門委員会で引き続き議論することで、一応の落着は見た。しかし、そもそも専門医制度の改変のみで、医師の偏在を是正できるという蒙昧が致命的である。地方の周辺システムがワークしていない現状、学会の協力体制も不透明な状況で、全面施行は混乱を来すこと必定である。
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