米国内分泌学会は2015年4月16日、骨粗鬆症患者は健常人に比べて突発性難聴リスクが1.76倍高いという研究結果を紹介した。同学会のJournal of Clinical Endocrinology & Metabolism誌に掲載した。
突発性感音難聴(SSHL)は原因不明の疾患で、聴力が急速に衰えていく。一般的には片耳で発症し、突然起こることも数日間かけて起こることもある。患者の約半数は自然に治癒するが、迅速な治療が重要で、ステロイドパルス治療により約85%は聴力の回復も見込める。可及的早期の治療開始が望まれる。
本研究では、1999-2008年に骨粗鬆症と診断された台湾在住の1万660人と骨粗鬆症ではなかった3万1980人の医療記録から、2011年末までに突発性難聴と診断された人数を比較分析した。追跡期間中、SSHLと診断された対照群は155人。うち骨粗鬆症と診断された者では91人と発症リスクは対照群よりはるかに高く、SSHLも骨粗鬆症に関連した健康問題の可能性が示唆された。
骨粗鬆症が心血管や脳血管系に影響を及ぼしているというエビデンスが増えている中で、研究者は「骨粗鬆症とSSHLの関連を裏付ける機序は不明だが、心血管リスク因子、骨脱灰、炎症、内皮障害が関与しているのではないか」と分析。全米で4000万人以上が骨粗鬆症に罹患またはそのリスクにさらされているため、骨粗鬆症患者が難聴を感じたら、速やかに受診するよう促している。日本では統計はなく人種差もあるかもしれないが、骨粗鬆症患者さんには注意を喚起したい。
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